豚料理を食べられない方のために作られたという特製スープなどを用いた一蘭が、2月28日にオープンしました。同店はオープンが発表されてからというもの、多くのニュースサイトや新聞社が取り上げ、ある意味ここ1年で最も宣伝された一蘭の店舗にもなりました。
オープン日はあいにくの雨でしたが、早速「100%とんこつ不使用ラーメン」がどのようなものなのか、味わってみました。
元々がドコモショップだったことを思い出せなくなるほど、店内は一蘭流に染め上げられており、落ち着いた雰囲気が漂っていました。また、店員さんのおもてなしが旅館のようなレベルで行われ、傘の折り畳みやメニューの説明などをしてくださいました。先着1000人限定というプレゼントも、券売機でチケットを買った後に贈呈してもらえました。
メインとなるラーメンは2種類だけで、通常のラーメンが1180円、ICHIRAN5選が1800円です。こちらはラーメンに加え、半熟塩ゆでたまご、きくらげ、のり、そして「追加牛弥郎」と名付けられた牛肉が付いてきます。これにより、本来であれば1850円になるメニューを50円安く注文できます。
開店日には前述のプレゼントをもらった後に飲食スペースへと続く通路へ案内され、その途中で自分のプロフィールに関するアンケート回答をお願いされました。
ラーメンが届く前に、入り口でいただいたプレゼントを確認しましたが、一蘭の紙袋には同店のオープンを知らせる「一蘭デイリー」と、一蘭オリジナルの箸が入っていました。
今回注文したICHIRAN5選がこちらです。見た目は普段の一覧とさほど違いが分かりませんが、とんこつ以外にもチャーシューが牛肉に置き換わるという違いがあります。サイドメニューについては、ゆでたまごのみが「最速」で届けられ、ラーメンと一緒に牛肉、きくらげ、のりが1つのお皿で届けられます。なお、今回はニンニクを多く入れています。
メニュー以外の点に関して言えば、ほぼ全てが他店と同じルール(?)を踏襲しており、紙に必要事項を記入して注文を行い、しばらくすると店員さんが注文通りのラーメンを届けてくださいます。
さっそくスープからいただくと、どこか一蘭の風味を残しつつも、とんこつ特有のこってりさが消えているような気がしました。いきなり食事の終盤の話になりますが、ゴクゴクと飲み切れるほど味わいやすいスープでありながら、一蘭の麺にマッチした風味だったのが不思議でした。もしかしたら一蘭にしかない空気も相まって、そのように感じただけかもしれませんが、鶏などの食材を混ぜ合わせた独自スープを生み出した「スープ職人」の方のなせる業を、文字通り味わえました。
麺については他店の一蘭と同じものが使用されており、同店の特色の1つでもある秘伝のたれも、スープと共に美味しく味わえます。そして、今回のラーメンで目に見えて違いを感じられる牛肉ですが、こちらもスープの味を邪魔しない味付けで、肉なのにさっぱりと楽しめます。牛弥郎単品だけで食べてみるとわかりますが、この牛肉には恐らく塩以外の味付けがほぼされておらず、牛丼屋の牛皿から汁を抜いたようなメニューに仕上がっていした。ラーメンを食べながらカロリーを気にするのもおかしいかもしれませんが、脂身のあるチャーシューと比較しても、ヘルシーな具材になっている可能性があります。
後から半替え玉を注文したため、今回の注文では1950円になりますが、お箸が付いてきたことで通常時よりも若干お得な形でラーメンを楽しむことが出来ました。ただ、ラーメン1品に2000円というのは、少々引っかかってしまうところがありました。
比較対象としては適切ではないかもしれませんが、伊勢丹ダイニングなどのランチメニューでも1000円台前半から中盤、ラーメン二郎のラーメンで750円、そしてすぐ近所にある魂心家のラーメンでは500円で提供される日があることを考えると、日常的に通うという行為は難しいようにも思えました。ただ、原価などを踏まえた上での価格設定だそうなので、今後は日本へ旅行に来た「お金周りをあまり気にされない方」を取り込んでいくことで、よりお店の寿命が伸び、新店舗の進出もよりスムーズになるかもしれません。
なお、店内には他の一蘭と大きく違う部分があります。それが、目の前にある一蘭を紹介するボードの内容です。こちらの内容は全面的に西新宿店独自のものに書き換えられており、「とんこつ不使用ラーメン発祥の店」の紹介や、ラーメンを開発するまでの経緯などが記載されています。