長らく工事が行なわれていた新宿駅新南口にJR新宿ミライナタワーとNEWoManが誕生し、4月3日にはオープニングセレモニーが行なわれたバスタ新宿が、昨日から営業をスタートさせました。
バスタ新宿の営業がスタートしたのは4日の午前4時からですが、0時ちょうどにはタクシー乗り場のみ稼働を始めました。23時50分頃には1番乗りを目指していたと思われる男性数人の姿もあり、開業まで4時間以上あるにも関わらずキャリーケースを引きずっている3人組の女性なども入口付近に留まっていました。0時のオープンは甲州街道側の出入り口のみ行なわれ、2カ所から「最初のお客さん」が入ってきました。テレビ局のカメラマンらしき人の姿も1グループだけありましたが、出入り口を撮影するといったことはされていませんでした。
・バスタ新宿の開業日 4月4日に決定(東京新聞より)
エスカレーターを登ると既にタクシー10台前後がタクシープールへと並べられ、タクシー乗り場に止まっていました。東京ビッグサイトなどで見かけるタクシープールのような形で、数台が「タクシー乗り場」の前に並び、後続はタクシー乗り場から少し離れた所で停められていました。撮影目的などで数名の方がタクシー乗り場を訪れていましたが、この場所を離れるまで使用している方を見かける事はありませんでした。ただ、YouTubeには「1番乗りでタクシーに乗車した」という方の動画も投稿されていて、一応利用者はいたようでした。甲州街道では路面にあったタクシー乗り場が廃止され、バスタ新宿前と看板に書かれたT字路が動き始めるなど、新しい新宿駅に生まれ変わったことを示すような動きが各地で見られました。
・バスタ新宿で行なわれたプレオープンイベントの様子
3階には東京観光情報センターという国内外の観光客を案内する施設が設置され、無料Wi-Fiや外貨の両替といった金券ショップや携帯ショップなどでしか行なわれていなかったサービスも一括で可能になります。施設内には佐川急便の宅配カウンターもあり、近くで営業を開始したヤマト運輸のカウンターよりも長い時間営業しています。唯一3階から乗れるバスとして、営業縮小という形が続いていた新宿WEバスが乗り入れていて、専用のバス停や複数の案内板が用意されるなど、1時間に1本しか運行されないバスとしては「破格の待遇」を受けています。余談ですが、これらの施設について舛添要一都知事も日本語と英語で説明していたものの、昨今の保育所に関する問題や自身の出張費に関する問題が相次いだ影響か、なぜかだと批判されていました。
・多数の日本初や新宿限定も NEWoManとJR新宿ミライナタワーが開業
午前4時には新宿の各地を停留所としているリムジンバスが一番乗りで出発したそうで、バスタ新宿も稼働を始めました。4日の20時頃には様々なバス会社のバスが相次いで到着、出発していて、多くのお客さんで溢れかえっていました。また、待合室には多くの座席が設置され、ZIP!のリポーターが取材を行なっていました。本日放送されたZIP!では日テレと書かれた脚立の横で撮影され続けていたと思われるカメラの映像が紹介されたりと、数分ではありますが特集が組まれています。
バスターミナルの待合室ということで売店などの店舗は無く、最も近い飲食店となるとNEWoManの飲食店や、高島屋のレストランズパークなどがありますが、すぐ近くにはマクドナルド、サンクス、ファミリーマート、吉野家といった24時間営業でリーズナブルな料金体系のお店も営業していることから、こちらのお店で軽食を購入して、待合室でのんびり待つといったこともできるかもしれません。また、安心お宿も24時間体制で営業していることから、バス代を節約した費用で、ゆとりのある空間で待ち時間を過ごすといった使い方も出来そうです。なお、バスタ新宿では1カ所だけ自動販売機が設置されていて、こちらで飲み物を購入できます。
21時前後には多くの人でごった返し、案内を行なう係の人が「フル稼働」の状態になり、自動券売機にもうっすらと行列が形成されるなど、一時はこれだけの施設を備えていてもお客さんを捌くのに時間が追いつかない事態になっていました。座席もほとんど埋まり、バスの乗降口にも複数箇所で行列ができていたことから、帰省ラッシュ時などには3階にも人が溢れかえりそうな勢いです。ただ、ロッカー置き場の横に謎の空間があったり、タクシー乗り場の隅に植物のオブジェと同化したベンチやちょっとした広場などもあるため、待合室以外の場所を使って収容人数を増やすことは容易にできそうです。なお、雨が降りそうな天気ということもあってか、ガーデンスペースのベンチに座っている人などはいらっしゃいませんでした。
わずかにですが周辺の雰囲気も変わったがあり、例えば西新宿1丁目周辺ではミニーやデイジーといったディズニーキャラクターの耳を付けた女性の姿を何度も見かけたりと、今までとは違う層の人などもありました。今までも高速バス乗り場は西新宿1丁目の各地にありましたが、代々木のJR高速バスターミナルなどが「北上」したことによって、お客さんもさらに北側へと流れて来たのかもしれません。
これまで高速バスとして使われていた各施設はそれぞれ対応が違い、リムジンバスは一部を除いて完全に乗り場を移動し、京王バスは5月8日まで降り口のみ新宿西口高速バスターミナルが使われます。新宿住友ビルで営業し、バスタ新宿よりも充実した設備になっていたWILLERバスターミナル新宿西口も閉鎖され、深夜1時過ぎには従業員と思われる方々が施設内で簡単な慰労会のようなことを行なっていました。最終便の出発時には記念の花束が渡されるなど、ちょっとしたセレモニーも行なわれていたようです。ちなみに、Twitterにはバスタ新宿を名乗るアカウントが登場し、お客さんに感謝するツイートや別のTwitterユーザーからの質問に答えるといったこともしていますが、国土交通事務所に電話で確認をしたところ、自分たちの管理しているアカウントではないというお返事が帰ってきました。
各マスメディアなどで報道されている通り、日本で最も多い駅の利用者数を誇る駅に、日本一の利用者数となる見込みのバスターミナルが加わることで、新宿駅周辺はこれまで以上に多くの人が行き交うより巨大な施設へと変化しました。ミライナタワーに様々な企業が入居するようになり、現在も地下通路付近で続いている謎の工事と、西側の歩道の整備が終わることで、長らく続いていた再開発にようやく終止符が打たれます。
・新宿高速バスターミナル | バスタ新宿, SEBT
・「バスタ新宿」(新宿南口)への移転のご案内
・「WILLERバスターミナル新宿西口」6年の歴史に幕 4月4日より「バスタ新宿」に乗り入れ開始 – トラベル Watch
・【佐川急便】バスタ新宿内「東京観光情報セ…|ニュースリリース|佐川急便株式会社<SGホールディングスグループ>
・新宿WEバスの紹介:新宿区