新宿区における参議院選挙の投票率 6年前と比較して約10%上昇

参議院選挙
昨日投開票が行われた参議院選挙の結果が、新宿区の公式サイト内に掲載され、今回も「全体の結果」とは若干違う動きになっていることが明らかになりました。

今日の3時14分に終了したという新宿区での投開票では、期日前などを含めた投票率が60.16%になっており、6年前の50.25%を10%程度上回る数値を記録しています。西新宿中学校や角筈特別出張所といった地域別の投票所でも、それぞれ投票率が大きく上昇しているようでしたが、最速で期日前投票が可能な場所としての役目を背負っている新宿区役所第一分庁舎では、3%程度の上昇に留まり、引き続き10%台を維持していました。

東京都選出の候補者別では、得票数で1位に自民党の鈴木大地さん、2位に参政党のさやさんがランクインしており、新宿区議会の会派における与党が上位を独占する形になりました。ただ、さやさんと3位の吉良佳子さんとの差は1012票差なので「独走」とも言える状態にはなっていません。また、今回落選した日本維新の会の音喜多駿さんが、立憲民主党の塩村文夏さんを上回る票数を獲得するなど、新宿区独自の順位になっている部分もありました。比例の得票数では、自民党に次いで国民民主が入っており、こちらも全体の結果とは若干差が出る形になっています。なお、チームみらいと日本保守党が公明党、日本共産党を上回るなどしています。



東京都議選の時と比べると、選挙カーなどとの遭遇頻度は若干下がっているようにも感じたのですが、例えば国民民主党の石川大我さんが連日新宿さくらスクエアで演説を行ったり、日本保守党に所属している方も同様に連日新宿駅近辺を訪れていたりと、同じ場所での演説を繰り返す傾向が普段よりも多いようにも感じられました。過去の選挙戦と同じく母数の関係上仕方ないかもしれませんが、与党の方を見かける機会はそこまで多くなく、中田敦彦さんの弟である中田フィッシュさん、後述する佐藤正久さんのお二人しか確認出来ませんでした。直接目にする事はありませんでしたが、山口那津男さんの後継者になっている川村雄大さんも、新宿駅の東側で演説などをされていたようで、Xなどに動画が投稿されていました。

選挙期間中、参政党などを中心に外国人問題というテーマを掲げ出したということもあり、埼玉県川口市に住むクルド人の方々への「直接的な言葉」を演説に盛り込んでいる方も見かけたのですが、一方で特定の候補者を応援せずに、排外主義的な言動へ反発する方々の集会も新宿駅で開催され、輪入道さんなどが参加した作品への「ディス曲」を披露したWorldwide Skippaさんも駆けつけるなどしていたようです。選挙期間が後半になっていくにつれ、急造したと思われる差別反対系のプラカードなども増加し、良くも悪くもより外国人の方に対する焦点が当たっていたのですが、約10年前に発生した「在特会のお散歩」のように、外国籍の方などに対して危害を加えるようなそぶりを見せる人は確認されませんでした。

最終日の新宿駅前では、与野党無所属などが入り乱れて様々な場所で演説が行われていましたが、新宿駅の南改札付近では日本共産党の吉良佳子さん、無所属の平野雨龍さんが並んで演説を行うという、若干不思議な空間も形成されていました。日本共産党側が差別や戦争などに反対する意見などを繰り返す一方、平野さん側が何か発言するたびに戦国時代での一種の武器とも言えるほら貝の音色が響き渡ったり、参政党を批判するプラカードの真横に旭日旗があったりと、場合によっては一触即発にもなりかねない状態でもあったものの、ざっと見た感じでは直接衝突しているような様子はありませんでした。ちなみに、平野さんを支持されていると思われるグループが記念撮影をしているすぐそばを、広東語らしき言語で会話している方々が横切ろうとする一幕もあったのですが、平野さんの思想に反して(?)支持者の方々が道路の端に移動するなどしていました。

新宿3丁目側は立憲民主党の方々が目立っており、塩村文夏さんと奥村祥大さんがそれぞれ新宿さくらスクエアとモア新宿4番街で演説を行っていました。お二人の演説を聞いている方々を合算すると、吉良さんや平野さんの各演説を聞いている方の規模と同程度になっており、どの場所でもそれなりの盛り上がり方を見せていました。一方、政府の役職や自民党の役職などを複数経験したことのある佐藤正久さんは、旧新宿アルタ前を最後の演説場所に選んでいたようですが、駅周辺で演説をされていた方の中でマイク環境などが最も悪く、クロス新宿ビジョンの影響もあってか、10m程度離れただけでほとんど何も聞こえないような状態になっていました。

今年もボランティアセンターをTKP新宿西口カンファレンスセンターに設置したれいわ新選組ですが、今回は新宿駅の東側で大型ディスプレイを1つ設置しただけで、山本太郎さんを含めた「本隊」は秋葉原でマイク収めをされていました。期間中には、声優でもある岡本麻弥さんがご自身のスキルを活かして選挙カーからアピールをしている姿も見かけたのですが、語尾をエメにしているキャラクターの声に自身を乗せすぎたせいか「比例は岡本エメ」と口にしてしまう瞬間もありました。なお、告示前には国民民主党の須藤元気さんがTKP新宿西口カンファレンスセンター前で演説と会見を行っていましたが、選挙期間中に再び新宿を訪れることは無く、「同席」した玉木雄一郎さんは後日牛田茉友さんと共にほぼ同じ場所で演説を行っていました。

今回投票率が上昇したことで、政治への関心が高まったようにも見えるのですが、ルミネエスト付近を通行している際に「(選挙用紙について)行かないから捨てちゃった。逮捕されないかな?」というニュアンスの会話が真後ろから聞こえたり、「名前が中二病」という理由である政党に投票したと語る方が飲食店にいたりと、政治リテラシーそのものの底上げなどにはつながっていないようにも思えました。

選挙結果<令和7年7月20日(日曜)執行・参議院議員選挙>:新宿区

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