「三越伊勢丹新宿本店における売上の50%が5%のVIP顧客によるもの」の誤情報 Twitterなどで拡散

伊勢丹

新型コロナに関連した各種規制が緩和され、以前のような活気を見せている伊勢丹ですが、Twitterなどで「三越伊勢丹新宿本店」の売上に言及したツイートが拡散され、1万件を超えるリツイートが行われるなどしています。

該当の投稿では、「上位5%のVIP顧客の売上シェアが50%を超えてる」と説明しており、同店における売上の半分程度が富裕層におけるものであると指摘し、資産運用などにおいて富裕層への手厚いサービスを提供するプライベートバンクのような働きぶりを見せていると述べています。ただ、引用元の資料にもある通り、これは「伊勢丹新宿店」の外商部門における買上上位5%による買上シェアであり、平坦な言い直しをすればVIP顧客に該当する方のうち5%が、外商における売り上げの約50%を占めているという形になります。



2月3日に発表された決算短信では、新宿店の売上高が3000億円になるかもしれないと説明しており、事業戦略説明会でも「毎週数千万円の時計や宝飾が売れている」と言われているので、庶民的な感覚からすると異質にも見えますが、「数千万円の時計や宝飾が毎日飛ぶように売れている」という説明でないと、元のツイートとの間に矛盾が生まれる形になります。なお、三越伊勢丹HDの期末決算については13日に発表されるそうで、このタイミングで同店の売上高がどれだけ伸びたかが判明する予定です。

一部サイトでは誤情報であることを指摘する意見もありますが、元ツイートの拡散速度などには到底追いつかない状態で、まとめサイトのTogetterも「話題のページ」として紹介しているため、情報拡散に拍車がかかっていました。最近はこの他にも、歌舞伎町の商業施設が滞留やスケボーなどへの対策で設置したスロープの障害物に対して「新宿区が悪い」といった論調の投稿が拡散されるなど、誤解によって一帯のイメージが変動する例が相次いでいます。ちなみに三越の本店は日本橋に設置されているため、「三越伊勢丹の新宿本店」という店舗も存在していません。

伊勢丹 新宿店 | 三越伊勢丹店舗情報
三越伊勢丹ホールディングス[3099]:2023年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2023年2月3日(適時開示) :日経会社情報DIGITAL:日本経済新聞
株式会社三越伊勢丹 事業戦略説明会 個人外商改革について
三越伊勢丹新宿本店では「売上の50%超を上位5%のVIP顧客が占めている」のがヤバすぎる「パレートの法則だ…」「金があるところにはある」 – Togetter

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