新宿フロントタワーの信託受益権 大成建設などが「間接的に」取得

※こちらの記事は1年以上前に配信されたものです。

新宿フロントタワージム運営のライザップ、老舗IT企業のニフティ、英語教室を展開するGABAなどが入居を行っている新宿フロントタワーですが、「ビルから発生した賃貸収入を得る権利など」の一部が、大成建設などの複数企業に渡ったことが発表されました。

信託受益権を「直接」取得したのはOrchid One合同会社という一般社団法人だそうで、同社に対しては大成建設や芙蓉総合リース、京浜急行などが投資機関となって出資を行っています。この法人自体は知名度が皆無ではあるものの、元を辿るとシンガポール政府が関与し、新宿フロントタワーの建設自体に携わっていたキャピタランドに繋がっています。キャピタランド側も「日本のファンドに信託受益権を売却した」と先月に発表していますが、Orchid Oneを設立した企業がキャピタランドであることを考えると「自身が持っていた賃貸収入などの権利を複数企業と共有し始めた」の方が、正解に近い説明になるかもしれません。

今回の信託受益権の授受により、複数の日本企業にとっては安定した家賃収入の確保を行えるというメリットがあり、キャピタランドも売却益を元手に日本での新たな投資機会を得たことになります。新宿フロントタワーは三菱ビル系列の高層ビルではありますが、同ビルの信託受益権はREITの運用を行うジャパンリアルエステイト投資法人も約4年前から取得していて、今回の信託受益権の授受も相まって「ビルの所有者」がより複雑な構造になっています。


新宿フロントタワー及び横浜ブルーアベニューの2棟のオフィスビルの一部(信託受益権)取得について | 2021年度 | 大成建設株式会社
新宿フロントタワー|ポートフォリオ|ジャパンリアルエステイト投資法人
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