新宿発祥のカレーは数多く存在しており、1907年に誕生した「新宿支店」が歴史の転換点になった中村屋を始め、京王電鉄グループが展開するC&C、新宿から世界へ広まったゴーゴーカレー、ロケ弁で高い評価を受けているオーベルジーヌなど、全国的に知名度のあるカレー、いわゆるB級グルメの雰囲気がある店がいくつも点在しています。
中村屋

公式サイトにもある通り、元々は旧東京帝国大学前にあった本郷の中村屋を買収したことが、歴史の始まりと言われています。上記でも挙げた通り、1907年に新宿支店が誕生したことで、徐々に拠点を新宿に移していきます。また、新宿で活動されていた彫刻家の荻原碌山さんとのつながりも深めていましたが、荻原さんは中村屋が本店を新宿に移した翌年、1910年に30歳で亡くなっています。
その後も新宿に拠点を構え続けていますが、東日本大震災とは関係なく、2011年をもって中村屋本店を一時閉店し、その後は複数のテナントや芸術作品の展示スペースなどを展開する「新宿中村屋ビル」が営業を行っています。なお、本店については現在も新宿3丁目の同ビルではあるものの、2025年時点では主な事業所が西新宿三井ビルになっており、過去に放送されたテレビ番組でも同ビルから撮影されたと思われるVTRなどが放送されていました。
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ゴーゴーカレー

2004年に新宿本店をオープンさせたゴーゴーカレーは、その後も新宿総本店や歌舞伎町スタジアムなど、新宿駅周辺の各地に店舗を出店し続けていました。しかし、一時期には店舗の閉店が相次ぎ、そのあおりを受けて創業の地である西新宿からは店舗が無くなるという事態になりました。過去のインタビューでは人材の育成不足などに触れられていたものの、感覚としては接客態度や提供する料理に問題があったとは言えない状態で、どちらかというと財務的な問題がメインになっているようにも思えました。
2025年時点ではゴーゴーカレーは西新宿に1店舗も存在していませんが、前述の歌舞伎町スタジアムに加え、新宿御苑スタジアム、新宿東口駅前スタジアムの3店舗が運営を続けています。「生き残り組」ではあるものの、クレジットカードでの決済機能の導入などは比較的早い段階で行われており、変化を恐れぬ姿勢での運営を行っているようでした。
・ゴーゴーカレー、なぜ東京発 原点は松井秀氏の本塁打 – 日本経済新聞
・ゴーゴーカレー創業者が語る波瀾万丈 「無理と言われたら燃える」 パチプロ→添乗員、29歳で一念発起 | ENCOUNT
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オーベルジーヌ
1987年に四谷3丁目で誕生したオーベルジーヌは、元々通常のカレー店として運営されていましたが、現在は宅配弁当専門店になっており、Uber Eatsのみならず、楽天市場などでも注文が可能です。元々の店舗は2024年に発生した火災によって一時営業を休止していたのですが、新宿御苑駅付近への移転を果たし、新設の「拠点」でカレーの提供を行っています。
創業40年目ではあるものの、3代目の社長を髙橋祐介さんが務めています。また、同店は有限会社オーベルジーヌが運営する店舗であり、株式会社オーベルジーヌとは別の資本関係とのことです。
・火災発生のお詫び | 【公式】欧風カレーオーベルジーヌ
・ロケじゃなくても、芸能人じゃなくても、食べたい、ロケ弁。|飲食の戦士たちnote
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モンスナック

紀伊國屋書店新宿本店の地下で長年営業を行っているモンスナックは、「元祖サラサラカレー」というキャッチコピーを付けられており、現代でいうスープカレーの先駆けとも言えるような水分多めのカレーのルーが特徴になっています。紀伊國屋ビルディングの改装に伴い、一時新宿野村ビルに移ったのですが、その後は再び紀伊國屋ビルディングに戻っています。なお、新宿野村ビルの店舗はそのまま残っているものの、不定期に営業を続けています。
ルー以外にも、四角く切られた角煮風の肉が、一口大の大きさで入れられているなどの特徴があります。また、現在の店舗では福神漬けなどの各種トッピングは受け取り口で自ら入れる形になっており、こちらはC&C新線新宿店に近いシステムを採用しています。
・新宿で半世紀、名物カレー店閉店 惜しむ声 – 産経ニュース
カレーショップC&C

京王線新宿駅の構内に本店を設置しているC&Cは、レストラン京王が手掛ける飲食店として運営されています。この他にも、新線新宿店、西新宿オークシティ店の2店舗が西新宿にあり、いずれの店舗でも比較的安価にカレーを楽しめるチェーン店として運営されています。
スマートフォンのBluetoothを活用した「Zeetleカードサービス」を使用することにより、カレーを注文するごとに1ポイント以上が貯まる仕組みになっており、2025年時点では10ポイントでカレーを1杯いただけることになっています。そのため、やり方によっては5回お店へ行くだけで1杯カレーが無料になる、という手法も使うことが可能です。
新宿本店ではレジと注文口が一体化しており、店頭で注文するとマイクを経由して厨房に注文した料理が伝わり、大半の場合ではお客さんがカウンターにつくまでの間にカレーが出来上がるという仕組みになっています。なお、過去には西新宿1丁目店をカツカレー専門店という店舗にしたこともありますが、現在は閉店しています。
・カレーショップ C&C CURRY SHOP
・C&C西新宿1丁目店「カツカレー専門店 新宿カレー」にリニューアル
・家系ラーメンの「山本家」西新宿1丁目にオープン
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