東日本大震災と、それに関連して発生した福島第一原子力発電所の事故の影響で、本社機能を関東以外に移す企業や原発が安定するまで従業員らを東京などから避難させるといった措置を取った企業が一時話題になりましたが、その影響もひと段落したのか、都内にあるオフィスビルの空室率が改善し、その余波が新宿の高層ビル群にも影響を与えているそうです。
地震発生時には交通などのシステムが全てマヒしたために新宿周辺も大混乱になり、その後も商品が輸送できないためにコンビニやスーパーなどで品切れの状態が1週間ほど続くような事態に見舞われましたが、従業員の自宅からの距離などを考慮して、新宿に事務所を構えるという企業なども増えているそうです。また、新宿周辺(特に十二社池の下周辺)は地盤が固く、震災・災害に強いということでも注目されているようです。
一部の高層ビルでは揺れが強烈だったために非常階段の壁や外壁が一部剥がれ落ちたり、スプリンクラーが作動したりといった被害も発生したのですが、先日オープンした新宿グランドタワーでは制振装置や自前の発電機などを有しているほか、24,000m3を貯水する淀橋給水場があるなど、ライフラインの確保も容易に可能になっています。
また、新宿高層ビル群がある西新宿1丁目・2丁目・6丁目・7丁目周辺は総合危険度ランクでも1や2に指定されているために「地区内残留地区」に指定されていたり、新宿中央公園や西新宿小学校・中学校をはじめとする避難所が豊富にあるなど、安全面を考慮して移転を考えている企業・団体にとってはうってつけの場所になっていることが、今回の「人気」の秘密になっているのかもしれません。
・大震災による評価軸の変化で3年ぶりにオフィスビルが改善|inside|ダイヤモンド・オンライン
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