昨年から新宿野村ビルでは、地震に関する様々な対策が建物に施され、竹中工務店と共同で設置にあたっていました。計画では今年の9月までに完成すると説明していましたが、予定通り9月に工事が終了し、地上部分でも工事スペースとなっていた「小さな池」などが復活しています。
今回の工事では、かつて新宿三井ビルが行った工事と同じく、非常に重たい錘を最上階部分に設置しています。錘の下にはゴムなどを使った特殊な装置が置かれ、地震が発生した際には錘とうまく連動し、上層部の揺れを抑える役割を果たすとのことです。これに合わせて、野村ビルではNTTのグループ企業のシステムを導入していて、各階の安全状況を防災センターから一括して確認できるという体制も整えています。
2011年の東日本大震災の発生時には新宿の各ビルも大きく揺れ、新宿マインズタワーや都庁が揺れた動画は海外のサイトに何度も転載されました。野村ビルが揺れている時の動画も同じくYouTubeに投稿されていますが、当時就活をしていたとみられる方はビル内部の様子を撮影していて、当時の揺れの凄まじさを現在も確認することが出来ます。今回の対策が上手く稼働すれば、もしも今後同規模の地震が発生しても「この時」のような激しい揺れは起きなくなりそうです。
・省エネビル:停電しても制震性能を維持、新宿の超高層ビルを免震改修 – BUILT
・新宿野村ビル 長周期地震動対策工事完了
日本初の制振装置「デュアル TMD-NT」にて揺れ幅・揺れ時間低減 – PDF