新宿モノリスビルに本社を置くオリンパスが「損失隠し」 粉飾決算の疑いも

※こちらの記事は1年以上前に配信されたものです。

新宿の超高層ビル群との1つとして挙げられている新宿モノリスビルには、関連会社を含めて約20フロアをオリンパスが使用していますが、そのオリンパスが損失隠しを行ったとして、日本のみならず海外のメディアでも話題になっております。

火種となったのは今年の4月に就任したばかりのマイケル・ウッドフォード氏をわずか半年で「独断的な経営を行った」などとして取締役会で解任された「事件」で、直後に3社合わせて売上高が約50億円ほどの会社を891億円で買収したり、イギリスで医療機器メーカーを取り扱っているジャイラスという会社を買収する際に、フィナンシャルアドバイザーに687億円を支払うなど、非常に高額で不透明な「資金の移動」があった事がウッドフォード氏によって告発されました。この対応にオリンパスは当初法的措置を含めた「対応」を行う予定でしたが、その後、一連の混乱の責任を取って10月26日に菊川剛前社長がわずか2週間足らずで社長を辞任し、高山修一氏が社長に就任するなど、社内でも混乱が生じていたようです。

海外メディアではJapanese Mafia(暴力団)が今回の事件に関与していることが報道されたほか、FBIもこの事件に対して捜査を行うなど、オリンパスの説明不足が重なったこともあって様々な情報が飛び交っていたのですが、今日開かれた会見で90年代から損失隠しを行っていたことを正式に発表しました。また、この件に関与していた森久志副社長と山田秀雄監査役を解任したほか、菊川会長も違法性を認識していたそうで、刑事事件に発展する可能性が非常に高くなっているようです。余談ですが、これまで行われてきた会見などは近場ということもあってか京王プラザホテルが使用されているそうです。



オリンパスの株価は前日比で約30%マイナスの734円となっており、この金額は10月7日(2416円)と比べても約1/3にまで減少しています。また、事件発覚によって平均して100万枚~300万枚ほどだった出来高も激増し、最大で7675万枚、今日も4283万枚もの株が移動しており、マネーゲームと化しているようです。また、この損失隠しによって上場基準を満たしているオリンパスの株価は「管理銘柄」に入れられる可能性も浮上しており、東京証券取引所は「より多くの情報」を求めているとのことです。

オリンパスは新宿に本社機能があるだけでなく、新宿駅南口から徒歩3分ほどの所にあるJR新宿総合ビルに大きなネオン広告を出すなどしており、NHKのニュース映像などでも度々その広告がテレビに表示されたりしていましたが、今後の展開によっては、この広告が撤去されたり、新宿モノリスビルにある本社機能そのものを経費削減などを理由に移転させる可能性も出てくるかもしれません。

・【オリンパス損失隠し会見ライブ】(1)昨日、森副社長が高山社長に損失隠しを白状 (1/2ページ)
・オリンパス、刑事告発を検討 旧経営陣の責任焦点
オリンパス損失先送り、野村関与の報道は事実に基づくものでない=野村 | ロイター
Japanese camera giant in mafia kickbacks claim
オリンパス問題、FBIや監視委が強い関心  :日本経済新聞

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